• オンラインで大学生と学ぼう「子どもの権利」中高大学生対象の人権プログラム実施報告

    2021年度、エンパワメントかながわのプロジェクトにかかわり、「子どもの権利」を真剣に考えた大学生たちが自ら開発した人権プログラムが完成。中学生、高校生、大学生へワークショップを提供することができました。
    子どもたちに「人権」を伝える…「あなたは大切な人」と伝える…
    大学生が開発した、いじめ、虐待、性暴力などから自分自身を守るための人権ワークショップをオンラインで開催しました。SNSなどを使って告知を行い、全国から、中学生、高校生、大学生が参加しました。


    ワークショップは2021年11月から2022年3月まで毎月1回開催。中学生対象が6回、高校生大学生対象が6回で計12回開催しました。

    【中学生向け人権ワークショップ アンケートより】 
    ☆総合評価
       性暴力コンテンツ:4.27(5点満点中、有効回答数11件)
       いじめコンテンツ:4.66(5点満点中、有効回答数21件)

    ☆参加者の年齢 
        中学生(14歳)~一般(年齢不問)

    ☆参加者の声
     ・いじめはだめ、ではなく、いじめられていい人はいないという言葉が響きました。嫌って言っていいんだよ、という言葉も、嫌だと言えなくてもあなたは悪くないという言葉も、中学生にとって安心できる素敵な言葉だと思いました。(いじめ編より)

    ・大学生のお姉さんたちとのお話だったのと、チャットでもいいよ。声を出せなくてもいいよ。だったので緊張していたけど、安心して参加することができました。 (いじめ編より)

    ・誰かと一緒にいじめのことや権利について考えたことがなかった。今回同じ位の年齢の子などの色々な考えを知ることができて良かったです。こういう機会があればまた参加できたらと思いました。 (いじめ編より)

    ・小中学生の頃から時代が近い皆さんならではの感性だからこそ伝えられる部分がありよかったと思います。プログラムだけでなく皆さんの話をもっと聴きたいなと思いました。 (いじめ編より)

    ・[子供の権利条約]という言葉は今回のワークショップに参加して初めて聞いた言葉で、よく知らなかったので、大変勉強になりました。わかりやすい言葉で、参加型ワークショップという形での発表だったので理解しやすかったと思います。(性暴力編より)

    ・性暴力が実際に触ったりしなくても、言葉だけで相手が嫌だと感じれば成立するということを初めて知った。また、私も今回のワークショップで子供の権利条約を初めて知ったため、大学生になる前に知っておけば人間関係に悩まずに済んだと思う。(性暴力編より)

                           ***


    【高校生・大学生向け人権ワークショップ アンケートより】
    ☆総合評価
       アサーションコンテンツ:4.54(5点満点中、有効回答数13件)
       LGBT相談対応コンテンツ:4.75(5点満点中、有効回答数8件)
       デートDVコンテンツ:5(5点満点中、有効回答数2件)

    ☆参加者の年齢
       高校生~ 一般(年齢不問)

    ☆参加者の声
      ・アサーションについてあまり知らなかったのですが、実践してみることでどういうものなのかを深く知ることが出 来ました。これから少しずつでも日常生活で使っていきたいです。(アサーション)

    ・グループで話し合いをしながら、アサーションの会話ができたのがとても良かったし楽しかった。 会話の設定が縛りが少なくて、オリジナリティを出しやすかったのがすごく良かった(アサーション)

    ・LGBTQについて多少大学の授業で学んだため知識はあったつもりだったが、全然知らないような単語や国際的事情などがあり、大変勉強になった。多様性を理解してすべての人が生きていきやすい社会を目指していくことの重要性を再確認できた。 また、人の相談を聞くのが苦手なため、とても参考になった。このことを生かして相手の立場を理解しながら相談に乗れる人間になりたいと思う。(LGBT相談対応)

    ・わかりやすかったです。ワークもあり、デートDVにならないコミュニケーションを自分で考えることも大切だと感じました。相談窓口の案内もあり必要な情報を届けているところもよかったです。(デートDV)

    【プログラム内容】

    プログラムの対象は中学生、高校生・大学生。中学生向け人権ワークショップ、高校生・大学生対象では、テーマを分けて3つのワークショップを開催します。
    各ワークショップではポイントを絞り、工夫を凝らしたスライドを用意。一方的に話すのではなく、参加者にも意見や考えを出してもらいながら進めます。

    1.中学生向け人権ワークショップ
    「子どもの権利条約」を基に、子どもが生まれながらに持つ人権について考えていきます。「いじめ」または「性暴力」について意見を出し合い、子どもには「守られる権利」があることを伝えます。テーマを変えて開催します。

    【守られる権利について学ぼう】~「いや」っていっていいんだよ

        <流れ>時間:60分
          ・子どもの権利とは
          ・いじめってなんだろう(ケースワークあり)
           または・性的な暴力ってなんだろう(ケースワークあり)
          ・まとめ

    2.高校生・大学生向け人権ワークショップ
    高校生・大学生に身近にある問題を取り上げながら、自分も相手も大切にするコミュニケーションを考えます。LGBT、デートDVなどを切り口に、多様性ついて、また、気持ちを伝えるスキルや受け止める相談対応などを同年代同士で学びあいます。

    【さわやかなコミュニケーション術】 ~自分も相手も大切にして本当のコミュ力をつけよう~
    互いに尊重し合えるコミュニケーション方法・アサーションを学んでグループワークで実践します。

         <流れ>時間:90分
          ・コミュニケーションパターン
          ・アサーションの知識
          ・アサーションのコツ
          ・アサーションの例

    ②【LGBTの知識と相談対応を学ぶ】~個性を受け入れて聴き名人になろう~
    LGBTに関する知識や現状を紹介し、多様性について考えます。身近な人からもしも相談を受けた時、どのように対応したらいいかお話します。

         <流れ>時間90分
          ・性に関する知識(LGBT, SOGI, 性自認、性的指向, 性表現)
          ・カミングアウト・アウティング
          ・差別や偏見・支援について
          ・相談機関紹介
          ・相談されたときには

    ③【デートDVについて知っていますか?】~自分も相手も傷つけないために~
    デートDVについての知識や現状を紹介し、人権について考えます。デートDVにならない関係性を築くためにはどうすれば良いのかを考えてグループワークで実践します。

         <流れ>時間60分
           ・デートDVとは
           ・性的同意年齢
           ・DVのサイクル
           ・法律について
           ・グループワーク
           ・相談先

    主催:認定NPO法人エンパワメントかながわ
    本事業は日本財団2021年度助成事業「子どもの権利がわかる大学生の育成及び子どもの権利啓発」によって実施します